発売年: 2017 開発元: 任天堂 ジャンル: アクションアドベンチャー 初出ハード: Nintendo Switch / Wii U 目安時間: 作品・遊び方により異なる

このゲームはどんな作品か

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、2017年に任天堂からNintendo SwitchとWii U向けに発売されたアクションアドベンチャーです。開発は任天堂、関連するクリエイターとして藤林秀麿、青沼英二、若井淑らの名前が語られます。長く続いてきた『ゼルダの伝説』シリーズの中でも、特に大きな転換点となった作品であり、任天堂は本作を「オープンエアー」と表現しました。

舞台は、厄災ガノンによって大きな傷を負ったハイラルです。主人公リンクは、長い眠りから目覚め、記憶を失った状態で大地に立ちます。そこには、かつての王国の名残、崩れた建物、朽ちたガーディアン、遠くにそびえるハイラル城、各地に暮らす人々、そして自然そのものが広がっています。物語はありますが、プレイヤーは決められた順番で進める必要はありません。目覚めた台地を出た後は、どこへ向かうかを自分で選べます。

本作の最大の特徴は、「見える場所へ行ける」感覚です。遠くの山、塔、森、谷、湖、遺跡。画面の奥に見える場所の多くが、実際に移動できる場所として存在しています。壁を登り、パラセールで滑空し、馬に乗り、川を渡り、寒さや暑さに備えながら進んでいきます。目的地を指示されるのではなく、地形そのものがプレイヤーの好奇心を刺激します。

また、本作は物理と化学の遊びが非常に強い作品です。火は草や木に燃え移り、風は炎を広げ、金属は雷を引き寄せ、水は凍らせることができ、爆発は物を吹き飛ばします。敵を倒す方法も一つではありません。正面から剣で戦ってもよいし、高所から奇襲してもよい。爆弾、弓、地形、天候、マグネキャッチ、ビタロックなどを使って、自分なりの解法を作ることができます。

従来のゼルダでは、ダンジョンで新しいアイテムを手に入れ、そのアイテムを使って謎を解く構造が中心でした。『ブレス オブ ザ ワイルド』では、序盤で基本的な力を手に入れた後、それらをどう使うかがプレイヤーに委ねられます。祠、神獣、コログ、記憶、料理、素材集め、装備強化、フィールド探索が、巨大なハイラルの中でゆるやかにつながっています。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、単に広い世界を用意したゲームではありません。プレイヤーに「自分で考え、自分で進み、自分で発見する」余地を大きく返した作品です。だからこそ、同じハイラルを旅しても、プレイヤーごとに違う記憶が生まれます。

当時なぜ重要だったのか

『ブレス オブ ザ ワイルド』が当時重要だったのは、オープンワールドの設計に対して、任天堂らしい別解を示したからです。2010年代には、すでに広大なマップを持つゲームは数多く存在していました。クエストアイコンを追い、マップを埋め、装備を集め、ストーリーを進める大型作品は珍しくありませんでした。その中で本作は、広さそのものよりも、プレイヤーの好奇心をどう動かすかに強く焦点を当てました。

本作では、マップ上の目的地をただ追うだけではありません。高い場所に登ると遠くが見え、見えたものが気になり、そこへ向かう途中で別の発見をする。祠を見つけ、馬宿に立ち寄り、コログを見つけ、敵の拠点を避けるか攻めるか考え、天候に足止めされる。プレイヤーの行動が、次の行動を自然に生みます。この連鎖が非常に巧みでした。

また、従来のゼルダの「当たり前」を見直したことも大きな意味を持ちます。決まった順番のダンジョン、専用アイテムによる謎解き、シリーズおなじみの進行の型。これらを一度解体し、初代『ゼルダの伝説』が持っていた「どこへ行ってもよい冒険」の感覚を、現代の3D空間で再構築しました。青沼英二を中心とする開発陣が長く積み重ねてきたゼルダの文法を、あえて壊した作品でもあります。

物理・化学ルールによる遊びも、当時強い衝撃を与えました。決められた答えを探すのではなく、ゲーム内の法則を使って解く。金属箱を動かす、爆弾で岩を飛ばす、火を使って上昇気流を作る、雷を利用する。プレイヤーが思いついた方法が、ゲーム内で実際に通ることが多い。この「試したらできた」という感覚が、世界の自由度を単なる広さ以上のものにしました。

Nintendo Switchのローンチ期の作品としても、本作の存在は大きな意味を持ちました。携帯機としても据え置き機としても遊べるハードで、どこまでも広いハイラルを探索できる。テレビでじっくり遊び、携帯モードで少し進めることもできる。この遊び方の柔軟さも、作品の印象を強めました。

『ブレス オブ ザ ワイルド』は、オープンワールドを巨大なチェックリストとしてではなく、好奇心と実験の場として作った作品です。その意味で、ゲーム史における影響は非常に大きく、以後の多くの作品が「プレイヤーにどれだけ自由な発見を許すか」を改めて考えるきっかけになりました。

今から遊んでも面白いポイント

今『ブレス オブ ザ ワイルド』を遊んでも面白いのは、探索の動機が自然に湧いてくることです。メインストーリーを進めることもできますが、遠くに見えた塔、光る祠、妙な形の岩、煙が上がる場所、山頂の景色などが、次々に寄り道を誘います。気づけば本来の目的地を忘れて、まったく別の場所を歩いていることもあります。それが本作では失敗ではなく、むしろ正しい楽しみ方です。

移動そのものも楽しいです。崖を登るときはがんばりゲージを意識し、雨が降れば滑り、寒い場所では防寒が必要になります。高い場所からパラセールで飛び、着地点を探す時間には独特の開放感があります。馬で道を進むのもよいですが、あえて道を外れて山を越えることもできます。地形が単なる背景ではなく、プレイヤーの判断に関わる存在になっています。

戦闘も、正解が一つではありません。ボコブリンやモリブリンの拠点に正面から乗り込んでもよいし、夜を待って寝込みを襲ってもよい。高所から弓で狙ってもよいし、爆弾で混乱させてもよい。強敵ライネルに挑むか、今は避けて別の道を行くかも自由です。武器が壊れる仕様は好みが分かれますが、これによって同じ武器だけに頼らず、拾ったものを使い回す旅の感覚が生まれています。

祠の謎解きも、短時間で遊びやすい要素です。一つ一つは比較的コンパクトで、物理法則やシーカーストーンの能力を使って解いていきます。忙しい大人でも、今日は祠を一つだけ、塔を一つだけ、料理素材を集めるだけ、という遊び方ができます。長時間のプレイにも短時間の寄り道にも対応できるところが、本作の強さです。

一方で、今遊ぶと戸惑う点もあります。目的地を細かく指示されるゲームに慣れていると、自由すぎて何をすればよいか迷うかもしれません。武器が壊れることや、雨で崖を登れないこと、敵が強くて簡単に倒されることにストレスを感じる人もいるでしょう。しかし、その不便さも、世界に手触りを与えるための要素です。

本作は、効率よく消化するより、自分のペースで旅をする方が面白いゲームです。最短でクリアするより、気になった場所へ行き、失敗し、準備し直し、また進む。その過程こそが『ブレス オブ ザ ワイルド』の本体です。

大人になってから刺さるポイント

30代から50代の大人が『ブレス オブ ザ ワイルド』に触れると、単なる広いゲーム以上のものが見えてきます。若い頃のゲームのように、次のステージ、次のボス、次のイベントを一直線に追うのではなく、立ち止まり、景色を見て、寄り道を選ぶ時間があります。この余白が、大人にはかなり心地よく感じられます。

本作のハイラルは、すでに一度滅びた世界です。活気ある王国の絶頂を描くのではなく、崩れた後の世界を歩きます。朽ちたガーディアン、廃墟になった町、残された記憶、静かに暮らす人々。大きな災厄の後にも、世界は完全には終わっていません。草は生え、馬は走り、村では人が暮らし、空は美しく広がっています。大人になると、この「壊れた後も続いている世界」が深く響きます。

リンク自身も、最初からすべてを覚えている英雄ではありません。記憶を失い、何が起きたのかを少しずつ知っていきます。ゼルダ姫、四英傑、ハイラル王国、厄災ガノンをめぐる記憶は、プレイヤーが世界を歩く中で断片的に戻ってきます。物語は一本道で語られるのではなく、風景の中に散らばっています。人生の記憶が、ふとした場所や景色でよみがえる感覚に近いものがあります。

大人になってから刺さるのは、自由の重さでもあります。どこへ行ってもよいと言われると、最初は楽しい反面、少し不安にもなります。何を優先するか、自分で決めなければなりません。強くなるために祠を巡るのか、料理を覚えるのか、装備を整えるのか、危険な地域を避けるのか。自由は、選択の責任でもあります。本作はそれを説教ではなく、遊びの中で感じさせます。

また、料理や素材集め、装備の準備が、大人には意外と楽しい部分です。寒い山へ行くために料理を作る。雷雨に備えて金属装備を外す。強敵に挑む前に矢を買い、回復料理を用意する。若い頃なら面倒に感じたかもしれない準備が、大人になると旅の実感になります。無計画に突っ込むだけではなく、備えて進むことの面白さがあります。

『ブレス オブ ザ ワイルド』は、世界を救うゲームでありながら、同時に世界をもう一度見つめ直すゲームです。滅びた後のハイラルを歩き、風を感じ、祠を見つけ、料理をし、馬宿で休む。その時間は、忙しい大人にとって、ただの攻略以上の意味を持ちます。

自分で遊ぶべきか、実況で見るだけでもよいか

『ブレス オブ ザ ワイルド』は、実況や動画で見ても非常に面白い作品です。プレイヤーごとに発想が違い、戦い方も移動方法も攻略順も変わるため、他人のプレイを見る楽しさがあります。物理演算を使った奇抜な攻略、ライネル戦の上級テクニック、祠の別解、コログ探し、スピードランなど、観戦向きの要素も豊富です。

ただし、この作品はできれば自分で遊んだ方がよいです。理由は、発見の価値が自分の好奇心に結びついているからです。遠くに見えた山へ行く。崖を登る。雨に阻まれる。別の道を探す。偶然祠を見つける。敵に倒される。料理で寒さをしのぐ。こうした一つ一つの出来事は、動画で見れば情報ですが、自分で体験すれば旅の記憶になります。

本作は、ストーリーの結末だけを知るゲームではありません。むしろ、寄り道の中にこそ本体があります。どの順番で神獣に向かうか、どの村に先に着くか、どの馬に愛着を持つか、どの景色を覚えているか。これらはプレイヤーごとに違います。実況だけでは、どうしても実況者のハイラルになってしまいます。

一方で、時間がない人や、自由すぎるゲームが苦手な人は、実況を補助的に使うのもよいでしょう。最初の進め方、料理の基本、戦闘のコツ、祠の考え方などを動画で軽く知ると、遊びやすくなります。ただし、最初からすべての答えを見ると、本作の発見の喜びは薄くなります。詰まったときだけ見るくらいがちょうどよいです。

大人が今遊ぶなら、クリアを急ぐ必要はありません。今日は塔を一つ解放する。明日は馬宿まで行く。次は山に登ってみる。そのくらいのペースで十分です。『ブレス オブ ザ ワイルド』は、長時間まとめて遊ぶ大作でありながら、短い寄り道の積み重ねでも楽しめる作品です。

今遊ぶならどの方法が現実的か

今『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を遊ぶなら、正規版、公式配信、現行版、リマスター版、中古購入など、自分の環境に合う方法を確認するのが現実的です。初出はNintendo SwitchとWii Uですが、配信状況、対応機種、価格、追加コンテンツ、セーブデータやオンラインサービスの扱いは時期によって変わる可能性があります。購入や加入の前には、必ず公式ストアや正規販売情報を確認してください。

Nintendo Switch版は、据え置きでも携帯モードでも遊べる点が本作と相性のよい選択です。テレビで広いハイラルをじっくり歩くこともできますし、短時間だけ素材集めや祠探索を進めることもできます。忙しい大人には、少しずつ進めやすい環境が向いています。

Wii U版で遊ぶ方法もあります。当時Wii Uでプレイした人にとっては、ハード末期を飾る大作としての意味があります。ただし、本体やソフトの入手性、周辺機器、保存環境などには注意が必要です。これから初めて遊ぶなら、現行の正規販売状況を確認し、遊びやすい環境を選ぶのがよいでしょう。

中古購入も選択肢になります。パッケージ版を手元に置きたい人や、価格を抑えたい人には向いています。ただし、中古の場合はソフトの状態、追加コンテンツの扱い、対応本体、セーブデータの管理などを確認してください。ダウンロード版や追加コンテンツを含めた購入を考える場合は、公式ストアで最新情報を確認するのが安全です。

このサイトでは、ROM配布、非公式ダウンロード、違法エミュレータなどは扱いません。『ブレス オブ ザ ワイルド』は、オープンワールドの設計とゼルダの探索を大きく変えた重要作です。だからこそ、正規の方法で、自分に合った版を選んで遊ぶ意味があります。

似た作品・次に触れたい作品

『ブレス オブ ザ ワイルド』に触れたあと、まず遊びたいのは『ゼルダの伝説 時のオカリナ』です。『時のオカリナ』は、3Dゼルダの基準を作った作品です。ロックオン、ダンジョン、アイテムによる謎解き、少年時代と大人時代の構成。『ブレス オブ ザ ワイルド』がその型を大きく解体した作品だとすれば、『時のオカリナ』は、解体される前の完成形の一つです。両方を遊ぶと、ゼルダが何を守り、何を変えたのかがよく分かります。

『エルデンリング』も、次に触れたい作品です。こちらはフロム・ソフトウェアによる広大なアクションRPGで、危険な世界を自分の判断で探索し、強敵に挑み、発見を重ねていく作品です。『ブレス オブ ザ ワイルド』とは手触りも難度も大きく違いますが、遠くに見える場所へ向かいたくなる感覚や、プレイヤーの探索を信じる設計には通じるものがあります。

『スカイリム』も、オープンワールドRPGの流れを考えるうえで触れたい作品です。広大な土地を旅し、町を訪れ、クエストを受け、洞窟へ入り、自分なりのキャラクターとして生きる自由があります。『ブレス オブ ザ ワイルド』が物理と地形と探索の自由を強く打ち出した作品なら、『スカイリム』は世界で暮らすロールプレイの自由を強く感じさせる作品です。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、今遊んでも古びにくい作品です。もちろん、続編や後発のオープンワールド作品を知った後では、違って見える部分もあります。それでも、始まりの台地から外の世界へ踏み出す瞬間、遠くの山へ自分の意思で向かう感覚、思いついた方法が実際に通る驚きは、今も強いままです。

30代から50代の大人が今触れるなら、『ブレス オブ ザ ワイルド』は単なる大作ゲームではありません。滅びた後のハイラルを、自分のペースで歩き直す作品です。物理と化学、地形と天候、記憶と自由な探索が結びつき、オープンワールドの常識を塗り替えたゼルダです。遠くに見える山へ向かうその一歩には、ゲームがもう一度「冒険」になる瞬間が残っています。

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